最近の相談ですが、現在ご主人は６２歳、もうすぐ定年退職ですが、住宅ローンを組んで自宅を購入されたのは約20年前です。当時高い金利で住宅ローンを組み、自宅を購入されました。

金利が下がり始めた６年ほど前から低い金利への住宅ローンへの借り換えを検討されたのですが、借り換えは認められませんでした。これはその人本人の属性（つまりどんな職業をしているか、年齢、個人信用情報はどうかという問題）によりますが、おそらく年齢でしょう。

私はその自宅を売却して、新しく住宅ローンを組む可能性を示しましたが、現在まで住宅ローン（実際はそれに合わせてリフォームローン等）の支払いに追われて、現在まで将来の蓄えもできず、ぎりぎりの生活なので、どこか旅行に行くことさえできず、ただ働くだけの生活でしたので、ローンから解放されて安めの賃貸を支払ってお金を貯めて行きたいご意向でした。

結果としてはご自宅を売却した時、数百万円ほどお金が戻ってきました。さらに売却後は借家に住むようになり毎月の支出がかなり抑えられるようになりました。

多くの場合、住宅ローンやその他リフォームローンの支払いばかりで将来の貯蓄が何もできていないのです。これでは将来どうなるかわかりません。

自宅を買うときには諸費用がかかりますが、売却するときにもそれなりの諸費用がかかります。

大きいものは販売する不動産会社が請求する仲介手数料です。その次に住宅ローンによる抵当権を解除するための登記費用（司法書士に支払います）です。もちろん自分で買主を見つけて売却するなら仲介手数料はかからず、さらに自分で登記手続きをするなら司法書士への報酬はもちろん発生しません。

登録免許税のみ（登記一つにつき、１０００円。土地一筆、建物一つなら合計２０００円。）

しかし、自分で売主を見つけるのはかなり難しく、知り合いが買うのでないなら、ほぼ不可能でしょう。

実際に売却しようとするとき、まず住宅ローンの残りがいくらあって、現在自宅がいくらで売れそうかを試算する必要があります。購入時よりも高く売ろうとしても地価が上がっていない限り、売れません。

フルローン（物件価格及び諸費用）で購入した自宅を売却する場合、実際はお金は戻ってこないことがほとんどです。

【任意売却】
フルローンにより建てた注文住宅は特にそうですが、10年以内に売却する場合、住宅ローンの残高が実際の市場価値より高い場合が多いです。なので市場価格より少し高めの額で売ったとしても、住宅ローンの残高を支払うのに多額のお金を現金で支払う必要が出てしまいます。数百万をご両親等の家族から出資してもらう方々も見受けられますが、実際はだれにも迷惑をかけたくないことの方がおおいのではないでしょうか。うちに相談に来られる方はほぼご家族等からの出資を受けません。それではどうすれば良いのかというと、これはあくまでも最悪をさけるためですが、任意売却をお勧めしています。任意売却とは住宅ローンの支払いを続けることが困難な場合、金融機関が仕方なく抵当権解除を認める売却方法です。これには金融機関により様々なパターンがありますし、他の借金（ソーラーパネルなどの付随ローン）との兼ね合いもあります。この売却法に関しては専門家に一度相談することをおすすめします。